FreePencilとは、Blenderで輪郭線を描画するためのアドオンです。
BlenderにはFreeStyleやLineArtといった高機能の輪郭線描画機能がすでに搭載されていますが、それらに対して、このアドオンは、シンプルでレンダリングが高速な事が特徴です。
■輪郭線描画の原理
昔からある塗り分け法と呼ばれる技法を使用しています。オブジェクトを頂点カラーで塗り分けることで、色の境目にコンポジットノードを利用して線を出す技法です。
http://xsiabc.blog95.fc2.com/blog-category-34.html#entry920
※このアドオンは2009年にわたしのブログで公開した技法を自動化したものです。
■アドオンのインストール方法
ダウンロードしたZIPを編集→プリファレンスのアドオンからインストールボタンを押してインストールし、Object:FreePencilにチェックを入れて下さい。
■アドオンの使用方法
・シャープをクリア
塗り分けるための境目に使用しているシャープをクリアします。クリアしなければ手動で塗り分ける場所を指定出来ます。現在はシャープに囲まれたところが塗り分けられます。ただしArmatureが入ったモデルを使用すると、シャープを無視してボーンの関節単位で色がつきます。ロボットなどで線を出したい場合はArmatureを外してから塗り分けてその後にArmatureを設定して下さい。
・エッジの角度
塗り分けるためのシャープを設定するエッジの角度です。0にするとすべての辺を塗り分けるため、ワイヤーフレームがレンダリングされます。
・塗り分ける
頂点カラーを生成します。ポリゴン数、オブジェクト数が多いとかなり時間がかかります。環境によっては応答なしになりますが、ウィンドウ→システムコンソールから経過を見ることが可能です。マウスを動かさずに待てば、マウスカーソルにオブジェクト数に応じてカウントダウンの数字が表示されます。
・輪郭線ノードを生成
サンプルになる輪郭線ノードを生成します。あくまで輪郭線のみのサンプルノードなので、実際の組み込み済みのノードと組み合わせてセルルックを作って下さい。工夫すればいろいろな表現が可能です。ノードの工夫はあまりにバリエーションが多いため、アドオンには実装していません。線の太さ、色など、様々な表現が可能です。
■生成されるノード等について
↑頂点カラーをAOV出力するノードがすべてのマテリアルに追加されます。
↑カレントのViewLayerにAOVが追加されます。
↑フィルムの透過とカラーマネージメントのビュー変換が標準になります。
↑線だけを表示してみるサンプルとして使える輪郭線のみを出すノードが出力されます。ガンマの0.2は輪郭線の太さを均一にしますが、かなり線が太くなります。線がつぶれる場合はこのノードを外すか、200%でレンダリングし出力後に縮小して下さい。VideoEditingは2.79までは出力時に縮小するとアンチエイリアスがかかっていたのですが現在のバージョンではアンチエイリアスが何故かかかりません。別のソフトでエンコード時に縮小することをおすすめします。(コンポジットノード側で縮小しVideoEditingでトリミングするという方法もありますが煩雑なのでおすすめできません)